☆えとせとら 料理人の手帳
パリのミニコミ誌
オヴニーへの
リンクです。
情報満載
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「料理人の手帳」
厨房からの便り
およそ、20年も前、白いコックコートのそでを通して以来、時間に追われ、
火と油、熱と汗のなかで、鍋やオーブンに向かって、首うなだれて、なにご
とかを、ずっと考えてきた様に思うのですが。さて、今になって思うことは、
とりとめの無い、それでいて、鮮明な情景の数々です。これは、私の追憶、
「舞踏会の手帳」です
。
”厨房のラテン語”(いいかげんの意味)による
「サーカスの楽しみ」
サーカスへ行きましょう。日本にいるとなかなか無い楽しい世界です。 わた飴(あめ)を口の周りにいっぱいくっつけて、興奮のファンタジーがはじまるのです。お値段は安いとはいえませんが、大人もたくさん来ているその出し物は、たえまない努力に鍛えられた筋肉の芸術とすばらしいセンス!。お客にも感心!見所を良く知っていて「!」声がとびます。それと、拍手をするツボ!
もし、あなたの見ているアクロバットの若者が失敗したりすると、観客は拍手ではげますのです。若者は「もう一度!」挑戦したいと私達に、アピールします。そして、緊張のまなざし、音楽も止まり、テントのしたでみんな、声も無くかたずを飲んでみまもります。若者の掛け声だけが響き、、、。見事に成功。 トタンに、にぎやかな音楽、歓声、拍手、、、、。
でも、そんな時ばかりではなく、失敗したまま終わってしまうこともあるのです。笑顔の仲間に肩をたたかれて慰められた若者がペコリとおじぎをして去って行く姿に、惜しみない、いちばん多くの拍手が送られます。
観客席でみんなと一緒に暖かい気持ちに包まれながら、こちらの子供はサーカスでも教育されるのだなと思いましたが、私もこんな風に育ちたかったなあ、、、。
パリの「冬のサーカス」と言う名前の常設小屋です。一度、おいでになってください。 冬だけでなく、年中、やってます。
パリの安い情報誌のジュネスのところにサーカスのスケジュールがあります。
「リスボンの日曜日」
思えば遠くへきたものだ
今日は、日曜日ですべての店は、お休みです。 メインストリートをそぞろ歩く男女あちらこちらに、人のかたまりが、あります。たいてい、中心に、盲目の歌手が、立っていたり、椅子に座っていたり。アコーディオンを弾きながら、懐かしいメロディー(たぶん)昔の歌を唄っています。周りに集まっているのは、やや年配のひとが多い、でも、だいたい、街にはお年寄りが、多いように思われますアコーディオンには、お金を、入れる白い小さな箱が乗っかっていますリクエストされた歌を、唄っています。リスボンは河のそば、丘の街です。流通・水上交通と要害の地として河口や合流地の小高い丘(山)に都市の拠点を選ぶ考えは各地にあります。ポルトやリヨン古代にはパリも、、。ただ、不便もあります。町は坂だらけですから。斜めの道路、順番に建物を立ててゆくと低いところの2階は高いところの1階になります。なかには、屋上がとなりの庭?と言う便利なこともありますが、一番たいへんなのは階段!(道路が)。朝から晩まで、よっこらしょ。リスボンにはケーブルカーがあります。(リヨンやナポリにも) 待っている時間の方が長い。
これは、なんと公営エレベーターです。→
「おだやかな味」
とは、人によって、それぞれ違うでしょうが、多分、どなたにも、すすめられるのが
「洋梨のフラン」
フラン・オ・ポワール
「フラン」とは、型の名です。輪(わっか)です。鉄板の上に、この型・輪を置き,薄く延ばしたパート・ブリゼを敷き詰め、洋梨のコンポート(缶詰・生の時はシロップで、煮る、)を、うすくスライスして、並べ、生クリーム、玉子、少量の砂糖、挽いたアーモンド、酒などを、混ぜ合わせた生地を、注ぎ、軽くフォークで、つついて、空気を追い出してから、オーブンにて焼く。取り出して、少し熱が取れたら、いつでも食べてよい。・・・オイシイただ、冷蔵庫に入るまでがいのち。冷蔵庫で保存すると味は少しかわる。(落ちる)何か他の果物、リンゴ、さくらんぼなどに、替えても良いが火は通しておく。
この、生クリーム、玉子で作る生地をフラン生地とも言います。また、その形、平たい円筒形に、玉子をつなぎにして、作る(湯せん、オーブン焼き)料理付け合わせなども・・・・のフランと言います。
例、ジャガイモのフラン、アスパラのフランなど
これは西洋梨を焼いたものです。お酒と砂糖を少量ふりかけてオーブンで焼くだけです。簡単でしょ。おためしください。
「桜桃のクラフィテイ」
1945年春、次々と解放されてゆくヨーロッパ。パリで私は、強制収容所へ送られ生死のわからない夫ロベール・Lの帰りを待つ。やがて、ロベール・Lは、帰ってきた。
彼は台所を通ったとき、彼のために作ってあったクラフィティを見た。彼は微笑するのをやめた、「これはなんだい?」クラフィテイだと答えた。今が旬のサクランボだ。「食べてもいいかい?」「わたしたちじゃ、きめられないわ、それを決めるのは医者よ」
M ・デュラス 「苦悩」
Cerises d'amour aux robes pareilles
Tombant sous la feuille en gouttes de sang
Mais il est bien court le temps des cerises
(Le Temps des Cerises) さくらんぼの実る頃
さくらんぼの赤い色、その短い季節を、私達は忘れない
今年は、もう、食べましたか?
「ショコラ」
ショコラ、チョコレートの誘惑、 かつて、(今もあるかな?)チューブに入った歯磨きの様なチョコレイトが、有りました。これ知っているのは少し古い人?と、思っていると、今、パンに塗り付けるチョコクリーム(バター?)が、よく売れているようで、オジサンは、感慨深く、、?でも、これは、極めて、由緒正しい?スタイルなのです。ショコラ、カカオは、かって、飲み物として、ドロドロの状態で愛好されたものです。それが、色々な材料の組み合わせと、カカオの結晶作用を利用して、現在の、チョコレイトの様式が、オランダで、開発されたのです。
ショコラは、大人の楽しみです。 子供のためには、パスクヮ復活祭のいろんな形のチョコレイトがあります。
簡単チョコレートムースの作り方
「プリン?」
おじいちゃんもおねえさんもぼっちゃんもおじょうさんもおじさんも、みんな、好きなのがプリン、さて、本名は? Creme renversee au caramel クレーム・ランベルセ・オー・キャラメルですがたいてい、キャラメルで、通用します。
もともと、イギリスで動物脂肪や挽肉を使ったプディング料理としてあったものが、なぜ、お菓子としての、プディング、プリンとして、伝わったのか?よく分かりません。
共通しているのは、湯煎、蒸すと言うことです。さて、ポイントは、カラメルの、焦がし加減です。いったん、はっきりと、焦がしてしまってから、水と砂糖を加えて、望む状態にもどします。カラメルのほろ苦さが、味のポイントです。
「イタリア・フィレンツェ」
花の都市、フィレンツェ、5月1日は、お祭りの日です。それぞれの地区、ギルド職人組合を、代表するパレードが街を、練り歩きます。大きな鋏をカチカチさせる、鈴のついた骨だけの傘をシャンシャン鳴らしてゆく、バトンをクルクル振り回してゆく、、、、それぞれが、何か古い歴史、職人、地区、を代表しているのでしょう。私は、ボンヤリ、ひなたぼっこを、しています。ネオ・プラトニズム古代ギリシャの世界をモデルに、人間精神を謳いあげた「ルネッサンス」その中心地フィレンツェです。
1982年 ここは、ドゥオモ(大聖堂)に近い、リストランテ。目の前の皿には、焼きっぱなしの仔牛が、一片のレモンを従えて、私の快楽に奉仕するために控えている。
罪の意識が無いではなかった。
「イタリア・ボローニャ」
ボローニャに、来たあなたは、幸せな人です。 駅から、歩いて街の中心に来て、石を
投げて (ほんとに、投げてはいけません) あたったお店 レストランに入る、やがて、
幸せな顔をしたあなたが、出てきます。 そんな街です。 パスタでは、ラザーニャなど
モッタデラソーセージなど肉料理とか、ワインも、、、ああ、行きたいなァ!
「イタリア・シチリア」
シチリアへ行くには、チョット時間がかかります。その時間を、シチリアの勉強にあてましょう。古代ローマの植民都市として発展し、のちに本国をも凌ぐ様な豊かさ、豊かさゆえの、他国、他民族の支配、ローマとの確執、アルキメデスの居た世界をしのばせる、古代遺跡など。しかし、私達と、シチリアの距離を、縮めるためには、とても、時間が、足りません。良く調べてテーマ・課題を持って、訪れると、とても、豊かな世界です。深いのです。
ちなみに、ジェラートは、ここが一番おいしい、レベルが高いと思います。
「イタリア・その他」
ヴェネチア・ブラーノ島へ行きましょう。北にある船着き場、 Fontamenda Nuove ムラーノ島やいろんなところへ、行くところから連絡船バポレットに乗って、約30分。何も無いところです。
島の真ん中に、運河 があり、家が、いろんな色に塗られています。それだけですが。かわいくて、のんびりしています。
でも、私達が、わざわ 旅行に出かけるのは、この、のんびりするためなのではないでしょうか。
「ゴンドラが揺れる。」
千年のベネチアの栄華と悲惨の歴史、その時間の流れのひとときを今も刻むのは、ゆったりと揺れるゴンドラです。サンマルコ広場の河岸に繋がれたゴンドラから、海に広がって消えて行く波々、、、。これも、ひとつの永遠です。 旅にでると誰でもセンチメンタルになります。それはナゼ?日常では意識しない時間の流れを感じるからです。
「猫おばさん?」
どこにでもある風景、ここはベネチアのサンマルコ広場の裏(おもて?) 海に面した小公園に、子犬の様な、おっきな猫が10匹ぐらい、そこにちょうどやって来た「猫おばさん」。擦り寄ってきた猫たちに、餌を与えるの図です。猫のご飯はミンチの生肉です。それと水。
バスク
「スペイン・サンセバスチャンの太鼓祭り」
1月16日です。ホテルで寝ていると「ドドドッ」と響く音。「あっそうだ太鼓祭りだ!」
スペインのガイドブックのわずかな記述で知ってはいたのですが。すぐに、扉を開けてもらって、夜の町へ、、。
前夜祭の夜の街は町内?ごとにくりだすパレードで大にぎわい、衣装も太鼓も樽(たる)太鼓とかさまざまなスタイルがあります。昼間の街の様子からは信じられないほどたくさんの人人、、、、。
足元には割れた酒瓶が散乱し唄い叫ぶ人々、「お祭りじゃッ!」祝祭の無礼講です。皆が料理人の格好をしているのは、バスク言語と共に、その方法論においてヨーロッパ全域に影響を与えたバスク料理が民族・民俗的なアイデンテティだからです。
翌日、お祭りのメーンパレードがつづきます。子供達はかわいくも勇ましく大砲をのせたロバが、海のバスクを表現する櫂(かい)、山のバスクをあらわす木こりの斧(おの)、、、。
えんえんとつづくパレードに心を残して私はビルバオ行きの列車に乗りこんだのです。